山形銀行統合報告書2024 :: Pro-Act
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VISION■■ 当期における国内経済は、総じてみれば穏やかな回復の動きをたどりました。新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが、2023年5月に「5類感染症」に変更となったことを受けて、経済正常化の動きが強まり、個人消費や設備投資は増加傾向をたどりました。また、インバウンドの大幅な増加も経済の回復を下支えしました。ただし、物価の高止まりを受けて、後半には個人消費は鈍化傾向となり、海外経済の減速から、企業の生産活動についても弱さが目立つ展開となりました。 当行の主要営業基盤である山形県内経済も同様、穏やかな持ち直しの動きを維持しましたが、輸出の不振などから、電子部品・デバイスや汎用・生産用・業務機械を中心に企業の生産活動が弱含んだことなどをうけて、後半には持ち直しの動きに停滞感が広がりました。 また、人口減少および少子高齢化には、歯止めがかかることなく、企業の後継者難や人手不足といった問題が表面化していることに加え、資源高騰への対応や脱炭素に向けた取り組みの加速など、さまざまな課題に直面しております。一方、経済面では、伝統的に継承されてきたものづくり産業をはじめ、最先端分野の研究開発、洋上風力発電の事業化へ向けた動きが見られるなど、地域のポテンシャルは高まりつつあります。 このような状況を踏まえると、金融正常化への転換期を迎える中で、地域金融機関として当行が果たすべき役割は、一層重要性が高まっているものと認識しております。 法人部門では、融資契約手続きをウェブ上で完結できる 「やまぎん電子契約サービス」を開始したほか、株式会社マネーフォワードと連携し、資金管理や業務のデジタル化・ペーパーレス化を支援するサービス「〈やまぎん〉Mikatanoシリーズ」の取り扱いを開始しました。また、SDGsの観点からも注目が高まっている「脱炭素化」へ向けて、e-dash株式会社および株式会社ゼロボードとの業務提携により、CO₂排出量の算定・可視化などをサポートするサービスの取り扱いを開始したほか、海外展開に取り組むお客さまへの支援に向け、株式会社日本政策金融公庫山形支店、独立行政法人中小企業基盤整備機構、株式会社日本貿易保険との連携による「海外ビジネス支援パッケージ」の取り組みを高まる地域ポテンシャル地域経済の現状と課題を捉える地域経済の持続的な成長と地域産業の育成前長計 第20次長期経営計画「Transform」最終年度の成果

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