中学生のとき、海外に興味を持ち、留学を視野に進路を考えるようになりました。山形県内では留学プログラムを扱う高校がすぐには思い浮かばず、留学生が多く留学斡旋もしていると知った宮城の学校へ進学。大学も県外へ進み、県外で多くの経験を重ねました。それでも心のどこかには、ずっと「山形に戻りたい」という気持ちがありました。高校・大学時代は帰省のたびに、家族の存在や、山形の歴史・文化に触れることで、山形への誇りが積み重なっていった感覚があります。就職活動では「自分の仕事で地域経済を豊かにできるか」を軸に、法人営業を志望。地域の企業活動を支えるうえで融資が不可欠だと考え、地方銀行で働くことが、お客さまのために“より直接的に”力になれる道だと思いました。県内に複数の金融機関がある中で山形銀行を選んだ決め手は、規模感に加え、長い間、第一地銀として山形の方々と向き合ってきた歴史でした。面談や面接で出会った先輩方からは、言葉以上に「温かさ」や「歓迎してくれる空気」を感じ、ここでなら本気で山形と向き合えると確信し、入行を決めました。
完璧じゃなくていい。
それでも「やってみる」と
決めた一年。
社会人1年目。
自信よりも不安のほうが大きくて、
わからないことだらけ。
それでも、「まずは忠実に」
「次は、やってみる」と
一歩ずつ前に進んでいく。
これは、山形への想いを原動力に、
一歩ずつ前に進んでいった
髙橋乃亜さんの物語です。
一度山形を出たからこそ
気づいた・強まった郷土愛
その郷土愛を“仕事”に変えられる場所が
山形銀行だった
“銀行の本業”に触れ、
仕組みを理解することで一段階上へ
“基礎の基礎”を固め、仕事の面白さが少しずつわかってきたタイミングで、融資課研修に入りました。融資は銀行業務の中核であり、行内の手続きも含めて理解が求められます。最初は融資の仕組みへの理解が曖昧だったり、専門用語に戸惑ったりすることも多く、商談に同席しても先輩の会話が難しく聞こえる場面がありました。そんな中、先輩が忙しい合間を縫って勉強会の時間を設けてくださり、「融資とは何か」から、融資に必要な条件までをゼロから丁寧に教えてくれました。仕組みを理解できたことで、単に“作業を覚える”のではなく、なぜこの手続きが必要なのかまでつながり、銀行員としてワンステップ上に上がれた感覚がありました。
研修中にお客さまと接する機会もありましたが、融資課ではわからないことが多い分、会話の場づくりが特に重要でした。挨拶に加え、雑談の中で少し自己開示をするなど、まず信頼される土台をつくることを意識。先輩が9割話す場面でも、できる仕事(伝票を預かるなど)は率先して動き、会話の流れや話題の振り方を吸収しようとしていました。入行から半年は「ミスはできない」という緊張感の中で、指差し確認なども徹底していた時期です。自信はまだ十分ではなかったものの、支店研修で“お客さまに向き合う姿勢”を学び、融資課研修で“銀行の仕組み”を理解できたことは、学生からプロへと変わっていくための大切な半年だったと思います。
背伸びはしない。
でも、手を挙げてみる
この時期から、少しずつ「自分らしさ」も意識するようになりました。もともと法人営業を志望して入行していたこともあり、10月からの法人研修では「ここは頑張らなきゃいけない」という気持ちが強くありました。この時期に印象的だったのが、集合研修で学んだ決算書の電子送付サービスの提案です。新入行員でも推進できる施策だと教わり、「お客さまの仕事が少しでも楽になるなら」と感じて、上司に「やらせてください」と自分から手を挙げました。融資の中身を語れる段階ではなくても、背伸びせず“今の自分にできる範囲”でお客さまの役に立てる。そこが挑戦のハードルを下げてくれたのだと思います。
もちろん簡単ではありませんでした。質問に答えられなかったらどうしよう、説明がうまく伝わらなかったらどうしよう——不安もありました。それでも、調べることやマニュアルを作ることが好きな性格も活かし、周辺情報を徹底的に調べ、想定される質問への準備を重ねて臨みました。結果として、当日中の成約には至らず、後日成約となりました。途中、自分の説明が未熟でお客さまを混乱させてしまう場面もあり、力不足を痛感しました。それでも先輩がフォローしてくださり、切り返しや、よりわかりやすい説明の仕方を間近で学べたことは大きな財産です。
特に学びになったのは、「お客さまがどこまで理解しているか」を捉えたうえで、必要な情報を必要な分だけ伝えること。例えば税理士とのやり取りの説明で誤解が生まれた際、先輩から「多くのお客さまは税務の流れをすべて把握しているわけではない。状況に合わせて伝え方を変えることが大事」と教わりました。提案の中身そのものだけでなく、お客さま目線で会話を設計することこそ営業の本質なのだと気づけた経験でした。
お客さま一人ひとりの声に耳を傾け、小さな違和感や課題に気づき、それを形にしていく。その積み重ねが、誰かの安心や挑戦につながり、地域の未来を支えていく。人と企業の間に立つこの仕事だからこそ味わえるやりがいが、ここにあると感じています。
「あなたに対応してもらえて良かった」
そんな経験を積んでいき、
山形の未来に貢献したい
この一年で強く感じたのは、「山形を豊かにしたい」と思ったときに、最も大切なのは“目の前のお客さまのために最大限の努力をすること”だということです。研修を通じて見てきた先輩方の真摯な姿勢は、理想論ではなく日々の仕事の現場にありました。お客さまの状況を何度も議論し、最善を考え抜く。その積み重ねこそが地域貢献につながっていくのだと思います。2年目に向けては、どの部署でも通用するように、先輩がやっている仕事を一つずつ自分でも再現できる状態にしていくことが目標です。いずれは一人で任されても成約まで持っていけるだけの力をつけたい。そのために引き続き、「まずはやってみる」「お客さまのことをよく考える」を行動の基準にしていきます。
そして私には、もう一つ夢があります。山形には、老舗企業さまや高い技術を持つ企業さまなど、地域とともに歩み、文化と経済をつくってきた存在がたくさんあります。そうした企業さまが、安心して挑戦できるよう支え、山形がもっと良くなっていく姿を“目に見えて実感できる”仕事がしたい。自分が生まれ育った山形をつくってきてくれた方々に、仕事を通して恩返しができる。そんな未来に向けて、これからも学び、挑戦を重ね、「この人になら相談していい」と思っていただける行員を目指していきます。